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産後の骨盤矯正はぶっちゃけ無意味?
さて、タイトルにもあるように
気になる方は多いのではないでしょうか。
「出産したけど、私って骨盤ズレてるのかな?」「いつごろから骨盤矯正すればいいのかな?」などなど。
強烈なタイトルで驚かれた方もいらっしゃるでしょう。
ぶちゃけます。「骨をポキポキならすだけの骨盤矯正は無意味」です。
いや、言い換えます。
「骨をぽきぽき鳴らすだけの骨盤矯正だけでは無意味」。
また、「全員が骨盤矯正をしなければいけない訳ではない」です。
妊婦さんや出産後の方の中には、なぜ骨盤が開いてしまうのかというのを
ご自分でも検索されたりしたことがあるのではないでしょうか。
なぜ産後は骨盤が開くのか
簡単に言えば、妊娠中に分泌される「リラキシン」というホルモンが、
関節を緩めるため骨盤が開いていくのです。
しかし、出産後、授乳している最中に、今度は「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。この「オキシトシン」というホルモンは子宮を収縮させ骨盤も徐々に元あった状態に戻っていきます。
ポキポキ矯正は意味あるのか
いままでのお話で、今回のポイントは2つ
「リラキシンというホルモンにより関節が緩まる」
「子宮も収縮させ、骨盤は元あった状態へ戻る」
まず1つ目のポイント
まず、「リラキシンにより関節が緩む」について。
関節は本来、関節と関節をつないでいる、筋肉・靭帯・関節包などにより固定されています。
関節が緩くなってしまうというのは、この筋肉などが緩くなってしまうため関節が不安定な状態になりやすいということです。
ここが重要。
関節を緩めてしまっているのは、筋肉や靭帯が原因であることがほとんどなのに、
果たして骨を鳴らすような矯正だけで効果があるのでしょうか。
答えはNO。
骨格の調節をして、そのとき良い状態になったとしても、関節の周りに付いている筋肉が悪い状態であればまた1,2日後には戻っていることがほとんどです。
産後の骨盤矯正で大事なのは、骨格の調節と合わせて、妊娠中約1年間の間緩んでしまっていた「筋肉」に対しての治療が必要不可欠になります。
2つ目のポイント
「オキシトシンにより、元あった状態に戻ってくれる」
これは、妊娠前の状態に自然と体が戻ってくれやすくなります。
しかし、「正常な状態」に戻るわけではありません。
妊娠前から骨盤の状態も周りの筋肉の状態・使い方が正常な方だったら、出産後約2~3か月後にしっかり良い状態に戻ってくれるため、ほとんど骨盤矯正をする必要がありません。
ただし、妊娠前から、足を組む癖がある・いつもどちらかに体が寄っている・体に痛みが出ていた。などがある方は、もともと体の状態が良くないため、産後に骨盤矯正をしたほうが良いでしょう。
また、骨盤の調節をした方が良い理由として、
妊娠中は骨盤が過度前傾位となります。
正常な骨盤の状態であれば、
骨盤は軽く前に傾いているのが正常です。
しかし、妊娠中はお腹も大きくなり骨盤をかなり前に倒して
腰が大きく反った状態が続きます。この状態が実は非常に良くないのです。
筋肉の性質とは?
骨盤が過度前傾位にあるということは、骨盤を前傾させる筋肉が縮こまっており、
後傾させる筋肉は伸びてしまっている状態です。
筋肉には、本来の力を十分に発揮するための適切な長さがあります。
しかし、筋肉は「伸びた状態からでは十分に力を発揮しずらい」という特徴があります。
実験的にご自身の腕でやってみてください。
なにか重たいものを片手に持ちます。
上腕二頭筋は肘を曲げる筋肉の為、肘を曲げているときは
筋肉が縮こまり、逆に肘を伸ばしているときは、
上腕二頭筋の筋肉自体も伸びています。
上の写真のように、持っている手を肘が少し曲がっていれば
上腕二頭筋の筋力はかなり力を強く発揮できます。
しかし、肘が伸び切ってしまっている状態では、筋肉も伸び切ってしまっています。
うまく力を使うことができないため、ダンベルが重く感じます。
これが筋肉の性質です。
骨盤を戻すには?
骨盤が前傾しすぎてしまっていると、骨盤を前傾させる筋肉は短く縮こまります。
逆に、骨盤を後傾させる筋肉は伸びてしまっており、力がうまく発揮できない状態になります。
骨盤を後傾させる筋肉の中には、人体にとって、とても重要な筋肉があります。
それが、「腹横筋」という体幹の筋肉です。
また、この筋肉は「横隔膜・多裂筋・骨盤底筋群」などとともに
「インナーユニット」とよばれる、身体を支える重要な役割を担っています。
しかし、骨盤が前傾しすぎてしまっている状態では
これらの筋肉はうまく力を発揮できない状態になります。
身体を支えてくれているはずの筋肉が、うまく力を発揮できないため、その他の筋肉に余計に負担がかかることになります。(腰・背中・肩・足周りの筋肉など)
その為、産後では肩こりになりやすくなったり、寝違えやすくなったり、腰を痛めたり・O脚になったり・膝を痛めたりすることが多いのです。
また、最近はテレビなどでも紹介されており少しずつ認知されるようになってきていますが、骨盤底筋群という筋肉はご存知ですか?
先ほどの「インナーユニット」にもありましたよね。
この筋肉がうまく使えていないと、急なくしゃみや咳、立ち上がる瞬間などに
尿漏れを起こしてしまうことが多いです。
産後で骨盤の状態が良くない方や、ご年配でインナーユニットがかなり衰えてしまっている方に多いですね。
当院では産後のご相談でご来院後、施術に入る前に、骨盤の状態のチェック、筋肉の状態のチェックに合わせ、
かならず上記のような「体幹」(インナーユニット)がうまく機能しているか」というチェックも行います。
治療前の状態をしっかりと覚えておいていただき、当院独自の産後の骨盤矯正を行った後、再度同じチェックをしてどのように体が変化したのかをご自身の体で体感していただきます。
かなり体が変わりますので、すごく驚かれる方が多いですよ(^^)
ほんとはもっと産後の骨盤が体に与える影響を詳しく書きたいのですが、あまりに長くなりすぎるのでまた、いつか続きを書こうかなと思います。
ちなみに、一番治療に良い時期は、出産後2か月後から3か月後です。
産後に体の状態が悪く、まだ産後に治療を受けていない方はできるだけ早くしたほうが良いですよ(^^)